当科のがん診療の特色肝臓がん
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当科の肝臓がん診療の特⾊
肝がん手術の約7割を腹腔鏡手術で行っています
肝がんの手術は、通常、開腹手術もしくは腹腔鏡手術で施行されますが、腹腔鏡による肝切除は年々増加しております。
腹腔鏡手術は開腹手術と比較して以下の利点があります。
- 傷が小さいため術後の痛みが少なく、体に負担が少ない
- 合併症が少なく、入院期間が短い
一方で、腹腔鏡手術には高度な技術が必要とされており、当グループは日本肝胆膵外科学会が定める“高度技能修練施設”の中の、とくに高難度手術を年間50例以上こなす山口県唯一の “認定施設A”として、チームで外科診療を行っています。また、特に高難度肝切除(亜区域切除,1区域切除,2区域切除及び3区域切除以上のもの)を腹腔鏡で行う場合(図1)には厳しい施設基準が設けられていますが、県内で唯一この施設基準を満たしているのも当グループです。なお、当グループでは県内では数少ない内視鏡外科技術認定医が在籍し、安全で質の高い腹腔鏡手術を提供できるように日々診療に取り組んでおります。
その結果、現在では肝がん手術の70%前後の肝がん手術を腹腔鏡で行っています。
図1
進行肝がんに対しても、内科的治療も織り交ぜながら積極的に切除の可能性を追求します
門脈や静脈という血管の中に入り込んだ進行肝がんに対しては手術療法のみでは治療が難しい場合がありますが、近年新規治療薬の出現などにより、薬物療法と手術を組み合わせることで治療効果が期待できる場合があります。このような進行肝がんは血管の中に入っている腫瘍を取り除くなど、難度の高い技術が必要となりますが、このような大きな手術の経験が豊富であることも当グループの強みです。他院で切除不能と診断された場合でも切除可能となる症例もありますので、希望される患者様はぜひ外来紹介もしくはセカンドオピニオンを利用して当科受診をお願いします。
高齢でも安心して受けられる積極的な治療を行っています
近年、日本は超高齢社会となり、それに伴い高齢者の肝がん手術の比率が増加しています。内科的治療を選択される方も多いと思いますが、内科的治療と比べて局所再発(治療した部分の再発)が少ないことは手術療法の強みです。
高齢の患者さんは、肝がん、慢性肝障害以外に心肺機能や脳血管に様々な病気を抱えていることも珍しくありません。当科では、大学病院である強みを生かし、肝臓以外の持病に対して全診療科と緊密に連携を取ることで、安全に配慮し可能な限り積極的ながん治療をおこなっております。
また、高齢の患者さんにも「腹腔鏡手術」など、患者さんの負担を極力減らす手術を施行しております。高齢の患者さんも肝がん治療でお困りの際はぜひご相談ください。