当科のがん診療の特色胆道がん

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当科の胆道がん診療の特⾊

特色1

血管再建手技を駆使した拡大手術を積極的に行っています。

胆道がんは今日でも難治がんのひとつで、外科切除が治癒を望める唯一の治療法であるにも関わらず、未だ治療成績は不良です。当グループでは、他院で切除不能とされるような進行胆道がんに対しても、血管再建手技を駆使した拡大切除(図1)を行う事で治療成績向上を目指しています。また当グループでは、日本肝胆膵外科学会が定める“高度技能修練施設”の中の、とくに高難度手術を年間50例以上こなす山口県唯一の“認定施設A”として、チームで外科診療を行っています。

図1

血管再建手技を駆使した拡大手術を積極的に行っています。

このような手術を行うためには高度な技術が必要です。このような難易度の高い手技や大きな手術に対して経験が豊富であるのも当科の強みです。また、大きな手術となるため、術前の準備や術後の集中治療など、複数の診療科による管理が必要となります。当院では、消化器内科や麻酔科、集中治療部などと連携し、治療を行っています。

特色2

周術期化学療法を積極的に行っています。

上記のような進行がんに対する周術期化学療法の積極的導入は、切除率や切除後の予後改善に大いに有用と考えらえます。当グループでは、化学療法チームと連携しJCOG(日本臨床腫瘍研究グループ)やKHBO(関西肝胆道オンコロジーグループ)で行っている術前、術後の化学療法の臨床試験に積極的に参加しています。治療の難しいがんに対し様々な治療を組み合わせて(集学的治療といいます)治療成績向上に努めています。

特色3

胆嚢がんが疑われる場合に、診断目的の低侵襲手術を行っています。

一方で、胆嚢がんのような診断そのものが難しいものに対しては、腹腔鏡を用いた診断目的の手術を行っています。胆嚢がんは術前画像診断や病理診断が困難な病気(図2)ですが、進行度によって予後や治療法が大きく異なります。また、胆嚢がんと思って手術を行っても、結果的に良性疾患であることもあります。このように、胆嚢がんが術前に疑われるものを「胆嚢がん疑診例」と呼んでいますが、当グループではこれに対する診断目的の腹腔鏡手術を行っております。このような手術を行う場合には、術中に胆嚢を傷つけずに摘出することが最も重要になりますが、場合によっては胆嚢の近くの肝臓も部分的に切除する必要性があります。当グループでは豊富な腹腔鏡手技の経験を活かして他院では困難なケースも腹腔鏡で行っています。胆嚢がんの疑いがある、あるいはその可能性が否定できない、という患者様がおられましたら、まずは低侵襲手術による診断をさせていただきます。もちろん、診断後の治療に関しましても、引き続き行います。

図2

胆嚢がんが疑われる場合に、診断目的の低侵襲手術を行っています。

このように、拡大手術から低侵襲手術まで、疾患に応じた幅広い外科診療を行えることが当グループの強みです。

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