さて、消化器・腫瘍外科学講座は、山口大学附属病院での消化器外科と乳腺内分泌外科を担当します。診療の中心となる“外科手術”は、大きな侵襲をともないますが、それは病気を治し、命を守るためでもあります。手術を通じ、大学病院に求められる「先進医療」を推進し、県内の関連施設との連携を深めることで、地域医療を守るとともに県内医療の充実に寄与したいと考えています。

また、科学に基づく医療の実践に向けて、研究は重要です。つまり、基礎研究に基づくエビデンスに裏付けられた新規診療の開発は先進医療推進のKEYになります。すでにある科学に対する素養をもとに、医学研究も進めていきたいと思います。

その一方で、昨今の外科医不足は喫緊の課題です。臨床講座のもう一つの社会責務は、“生涯教育”にあります。そのためには、“若手外科医に対する愛情”と“質の高い臨床医教育の実践”は肝要です。教室ではそのために、ESS（早期外科体験実習）、WCC（創部閉鎖コンテスト）、ANIMAL-LAB（動物使用による外科技術体験実習）、CCST（ご遺体を用いた外科解剖実習）などを開始し、seaquentialでseamlessな教育体制を構築してきました。これらを通じて、現場からの“医療に対する熱い思い”を“厳しい指導”のもとに伝えたいと思います。そして、“山口県における医師不足”という危機的状況に対して、全力で取り組んでいきます。

最後に、今回のHPリニューアルについては、若い教室員たちから“これまでのHPが少し魅力に欠けるのではないか”と指摘されたことから始まりました。もっと、医学生、若い医師たちや県民にもアピールできるものが欲しい、そんな思いを形にすべく、教室員たちが自ら企画し作成したものです。
2015年3月、山口大学　消化器・腫瘍外科学講座は新たな一歩を踏み出しました。

そして、2021年11月、HPをこのように刷新しました。

これまでの歴史と伝統をふまえ、さらに新たな独自性を加えて、そして何よりも教室の若い仲間の意欲に支えられ、消化器外科、乳腺内分泌外科の発展に寄与するべく、邁進していきたいと存じます。
さらなるあたたかいご支援とご指導を賜りますよう、お願い申し上げます。