診療内容乳腺・内分泌

  1. トップページ
  2. 教室紹介
  3. 診療内容
  4. 乳腺・内分泌

診療内容 – 乳腺・内分泌

乳がんは、乳がんの生物学的性質(サブタイプといいます)に応じて再発率や、治療薬の効果が異なっています。そのため乳がんの治療を考える際には、がんの進行度だけでなくサブタイプも治療を決める重要な因子となります。遠隔転移のない乳がんでは再発リスクを減らすための術前術後の補助薬物療法も進行度やサブタイプによってそれぞれ異なり、それぞれの患者さんの全身状態や希望などを考慮して決定されます。実施される治療は、「外科的療法」「放射線療法」「薬物療法」の3つがあります。

乳がんの治療法

1外科的治療

手術によって乳房にできたがんを切除する治療方法です。他の臓器などへの転移が認められない場合は、切除による治療が一般的です。手術方法には「乳房部分切除術」と「乳房全切除術」があります。手術方法の選択や、切除範囲は乳がんの大きさや広がり方によって決定されます。また、どちらの手術方法でも適切にがんが切除されていれば、その後の治療経過に差はないといわれています。

乳房の手術

・乳房部分切除

「乳房温存手術」と呼ばれることもあります。がんの広がりを厳密に評価して、乳腺を部分的に切除する方法です。切除する範囲が広いほど乳房の変形が強くなるため、がんの大きさと乳房のバランスを考えて手術の術式を選択します。手術後には温存した乳房へ放射線治療を行います。術前のしこりが大きい場合には、手術前に薬物療法を実施して腫瘍を小さくしてから手術を実施する場合もあります。乳房部分切除の場合、手術後に切除した組織の病理検査で温存した乳房にがんの取り残しがあると考えられる場合には追加の手術をお勧めする場合があります。

・乳房全切除術

乳がんが広範囲に及んでいるときや複数のしこりが存在する場合に、乳頭を含んだ全乳房を切除します。この場合、一般的に乳房への放射線治療は必要ありません。

腋窩リンパ節の手術

・センチネルリンパ節生検

がん細胞がリンパ管の流れに入り、最初に行き着くリンパ節を「センチネルリンパ節」といいます。このセンチネルリンパ節を見つけ出し、がん細胞の有無を調べることをセンチネルリンパ節生検といいます。センチネルリンパ節にがんの転移が認められなければ、その後の腋窩リンパ節の検査の省略が可能です。また、センチネルリンパ節への転移がある場合でも一定の条件下であれば腋窩リンパ節の検査省略が可能なこともあります。
当科では対象の患者さんに山口大学が開発したCT-lymphographyを行い、手術前にセンチネルリンパ節の位置や個数、リンパ節転移の状況を把握することができ、非常に有用な情報として手術に役立てています。

3D CT LGでのリンパ管走向

・腋窩リンパ節郭清(かくせい)

手術前の検査でリンパ節にがんの転移が認められた方、センチネルリンパ節生検で転移が見つかった方が適応となります。腋窩リンパ節は脂肪組織の中に存在するため、これらをひとまとめにして切除します。またリンパ節郭清の結果は、再発の可能性の予測や術後の薬物療法が必要かどうかを判断する上でも重要になります。

2放射線治療

当院では放射線治療科に依頼して行っています。
放射線をがん細胞へ照射し、がん細胞の遺伝子を傷害して増殖を阻止する治療方法です。主に手術後の再発防止や、骨に転移した場合の症状緩和の目的で実施されます。

3薬物療法

乳がんの薬物療法は「化学療法」「内分泌療法(ホルモン療法)」「分子標的療法」に分けられます。

・化学療法

化学療法は抗がん剤を使用してがん細胞の増殖を抑制し、がんの進行や転移、再発を防ぐ効果が期待できます。化学療法の有効性に関しては多くの臨床試験で確認されており、術後の再発予防効果や生存率向上が示されています。化学療法の副作用対策も進歩しており、ほとんどの治療を外来通院にて行うことができます。

・内分泌治療(ホルモン療法)

多くの乳がんは女性ホルモンの刺激を受けて増殖することが知られています。内分泌療法は女性ホルモンの分泌を抑制したり、乳がん細胞が持つホルモン受容体をブロックしたりすることによって、乳がん細胞の増殖や転移をおさえる治療です。

・分子標的療法

乳がんのうち約20%~30%のものはHER2と呼ばれる、乳がんの増殖に関与していると考えられているタンパク質をもっています。分子標的療法はこのHER2を効率的に攻撃して治療する方法です。

3薬物療法

乳がんの薬物療法は「化学療法」「内分泌療法(ホルモン療法)」「分子標的療法」に分けられます。

・化学療法

化学療法は抗がん剤を使用してがん細胞の増殖を抑制し、がんの進行や転移、再発を防ぐ効果が期待できます。化学療法の有効性に関しては多くの臨床試験で確認されており、術後の再発予防効果や生存率向上が示されています。化学療法の副作用対策も進歩しており、ほとんどの治療を外来通院にて行うことができます。

・内分泌治療(ホルモン療法)

多くの乳がんは女性ホルモンの刺激を受けて増殖することが知られています。内分泌療法は女性ホルモンの分泌を抑制したり、乳がん細胞が持つホルモン受容体をブロックしたりすることによって、乳がん細胞の増殖や転移をおさえる治療です。

・分子標的療法

乳がんのうち約20%~30%のものはHER2と呼ばれる、乳がんの増殖に関与していると考えられているタンパク質をもっています。分子標的療法はこのHER2を効率的に攻撃して治療する方法です。

4乳房再建

乳房全摘を行う場合、経験と実績が豊富な形成外科と連携して乳房再建を行っています。再建方法には、ご自身の腹部や背部の組織を移植する方法(自家組織移植法:腹部穿通枝皮弁法、広背筋皮弁法など)と、シリコンバッグを挿入する方法(エキスパンダー・インプラント法)があります。当院では両方とも可能です。また、一次再建(乳房全摘直後に乳房再建を同一手術内で行う方法)、二次再建(乳房切除手術後しばらくしてから行う方法)にも対応可能です。希望の方には形成外科専門医に紹介いたします。

年度別⼿術数・乳がんステージ別⽣存率

乳腺手術症例数

乳腺手術症例数

乳がん 10年生存率(当科2003-2010年)

乳がん 10年生存率(当科2003-2010年)

参考:全国成績(女性の乳がん 10年生存率)
ステージ1 99.1%
ステージ2 90.4%
ステージ3 68.3%
ステージ4 16.0%

出典:がん情報サービス

甲状腺・副甲状腺手術症例数

甲状腺・副甲状腺手術症例数