診療内容
診療紹介
消化器・腫瘍外科は、⼭⼝⼤学附属病院での消化器外科と
乳腺・内分泌外科を担当しております。
年間900件以上の⼊院件数で、500件以上の⼿術件数があります。
各臓器別の詳細は以下の通りです。
上部消化管(⾷道・胃)
⾷道がんをはじめとする⾷道疾患、胃がんをはじめとする胃疾患の治療を⾏っております。
⾷道がんについては、⼭⼝⼤学附属病院 消化器・腫瘍外科は、⼭⼝県内で最多の⼿術症例数を施⾏しております。そして、⾮常に⾼侵襲⼿術をされる⾷道がん⼿術に対して早くから鏡視下⼿術を導⼊し、低侵襲で根治性の⾼い治療を⾏ってきました。
また、ICUとも連携し、術後管理の煩雑な本領域での周術期合併症は⾮常に少なく、直近5年間の術後死亡はありません。さらに⾷道がん治療成績向上のために、補助療法としての化学療法、放射線治療を併⽤した集学的治療を導⼊しています。
胃疾患に対する治療についても、腹腔鏡手術、ロボット手術といった低侵襲手術に積極的に取り組んでいます。現在は胃がん手術の約95%を腹腔鏡手術など低侵襲手術でおこなっており、全国的にも高い比率となっています。
また他臓器や遠隔リンパ節への転移を認めるステージ4胃がんに対しても、抗がん剤治療後の切除を目指して抗がん剤チームと協力して治療にあたっています。
下部消化管(⼤腸)
大腸がんは高齢化社会の進行、また食の欧米化のため、罹患数また死亡数が増加傾向にあります。大腸がんに対しては内視鏡治療、手術、化学療法、放射線治療が行われていますが、当科では手術、化学療法を中心として治療成績の向上に努めております。
本項では腹腔鏡手術、また周術期化学療法を中心とした大腸がん治療についてご紹介させていただきます。
肝臓・胆道・膵臓
⼭⼝⼤学附属病院 消化器・腫瘍外科は、⼭⼝県では唯⼀の⽇本肝胆膵外科学会⾼度技能専⾨医修練施設(A) (http://www.jshbps.jp/)としての認定を受けています。肝胆膵領域⼿術については、消化器外科の中では⾼難度⼿術を要する疾患がほとんどであるため、その提供においては、専⾨医とともに⼗分な症例数も重要になります。
当院における肝胆膵領域がん治療では、消化器内科や腫瘍内科、放射線科と週2回のカンファレンス(Cancer Board)を⾏なっており、⼿術治療を中⼼に、抗がん剤治療や放射線療法など包括的な統合的医療の提供を⽬指しています。そして、難治がんである胆道がんや膵臓がんに対する⾎管合併切除をも積極的に適応とし、集学的治療を展開しております。また同領域での、腹腔鏡下肝切除、腹腔鏡下膵切除の症例数も多く、全国と⽐較しても遜⾊はありません。以上のように、当科は、県内唯⼀の⽇本肝胆膵外科学会⾼度技能専⾨医修練施設(A)として、肝胆膵外科における先進的医療を進めていきたいと考えております。
また、救命救急センターとの密に連携し、急性胆嚢炎などの緊急症例についても対応しています。
肝移植
⼭⼝⼤学 消化器・腫瘍外科学講座では、16年間、⼭⼝県では施⾏しえなかった肝移植診療の再開に取り組み、院内各診療科(消化器内科、⼩児科、⿇酔科、放射線科、救命救急センター、集中治療部、病理部)などと密に連携をとり準備をしてきました。
そして、2016年11⽉14⽇、念願であった⽣体部分肝移植を再開し、現在(2017年10⽉1⽇)までにすでに4例を施⾏しました。本項においては、⼭⼝⼤学における肝移植医療について、その疾患、治療、現在の取り組みについて述べるとともに、連絡⽅法などについても簡単に⽰します。
乳腺・内分泌
乳がんを中⼼とした乳腺疾患、甲状腺がん、バセドウ⽒病を中⼼とした甲状腺・甲状腺疾患など、内分泌疾患全般の治療を⾏っています。乳がんは⽇本⼥性のがん罹患率第1位の疾患で、広く知られた⼀般的な疾患ではありますが、その診療は専⾨的な知識が必要です。⼭⼝⼤学附属病院 消化器・腫瘍外科は、⽇本乳がん学会乳腺専⾨医が複数名専従する、県内唯⼀の施設でもあります。
当科ではその専⾨性を活かして、乳房温存療法、乳房切除術を中⼼とした治療を⾏っています。さらに、形成外科専⾨医の協⼒により乳房再建も可能です。また、甲状腺・副甲状腺疾患では、⽇本内分泌・甲状腺外科学会専⾨医による治療を⾏っています。
化学療法
抗がん剤などの薬剤を用いた治療のことを「化学療法」または「薬物治療」と呼びます。最近は、薬物治療と呼ぶことが多くなってきました。
薬物治療を専門に行う専門医の認定制度は複数ありますが、日本臨床腫瘍学会のがん薬物療法専門医は、すべての癌の薬物療法に精通する専門医が取得できる資格で、山口大学では、腫瘍センターの井岡達也医師と、消化器・腫瘍外科の松井洋人医師の2名が資格を有しています。